台湾の時代
「これ一筆が絶筆の覚悟で描く」
昭和十年正月熊一は1928年(昭和3年)工学院建築科を卒業後、川端画学校で学ぶ。その後1933年(昭和8年)~1937年(昭和12年)の4年間台湾に渡りスケッチ旅行を行っている。その頃の作品は、フォービズムに近い大胆なタッチで描きあげられ、デッサン力の確かさが伺える。熊一は自転車で台湾をスケッチしながら縦断旅行を敢行。途中マラリアにかかり、発作が起きると木陰でキニーネを打ちながら旅を続けてきたと言う。この凄まじい執念はどこから来るのだろうか!! 苦しみが絵を描く原動力となり、この時代に基本的な絵に向きあう姿勢と生き方が身につき生涯この生き方を貫くことになる。その後台湾から帰国後北京に渡り1年間スケッチ旅行をしている。
台湾台北大稲埕(1)台湾赤埃樓(2)台湾新竹風景(3)大稻埕の屋根(4)
作品所蔵美術館:
(1) 『台湾台北大稲埕』郡山市立美術館所蔵
(2) 『台湾赤埃樓』 豊島区文化デザイン課所蔵
(3) 『台湾新竹風景』 栃木県立美術館所蔵
(4) 『台湾新竹風景』 栃木県立美術館所蔵